酷く、恐ろしい。
貴方が居なくなる事を考えてたの。
綺麗に、まるで空気の様に消えて行くの。
何も云わずに。
そして誰もが、貴方を忘れた。
私さえ。

何時もと変わらない日が過ぎる。
太陽が昇って、月が光る。
何時もと変わらない…。
変わらない…?

貴方が居ない。
貴方の声が
貴方の影が
温もりが
香りが。
全て、何もかもが無くなったのに…?

ガクガクと膝が震え出した。
ねぇ…電話して。
声を聞かせて…。

急に鳴り出すケータイの着信音。
ビクリとして、手を伸ばす。
貴方からの電話。
急いで出た。
早く、声が聞きたかったから。
明るく聞いた。如何したの?って。
貴方は笑って、何でも無いよと云ったわ。
そう。其れは良かった。
安心した。

大丈夫。
貴方は其処に居て、
私は忘れて居ない。